僕が「正論」という剣を捨て、「共感」という盾を手に入れるまで
大学4年生で初めてできた彼女。赤面症だった僕の世界に光を灯してくれた、かけがえのない存在でした。
卒業後、僕たちは同じ会社に就職し、数年後には結婚しようと、未来の全てを約束していました。
それは、疑いようのない、幸せな物語の始まりのはずでした。
理由も分からないまま、全てを失った暗黒時代
しかし、社会という新しい舞台の幕が上がった瞬間、彼女はまるで別人のようになりました。職場で交わす言葉は減り、その瞳が僕を映すことはなくなりました。
「昔付き合っていたことは、誰にも言わないでほしい」。そう告げられた時、僕の世界から音が消えました。
原因は分からない。ただ、僕が信じていた未来が、砂の城のように静かに崩れていきました。
そしてある日、彼女は僕に何も告げることなく、別の男性と婚約し、会社を去りました。理由も分からないまま、全てを失ったのです。
心にぽっかりと空いた穴を埋めるように、僕は仕事に没頭しました。寝食を忘れ、がむしゃらに働いた結果、小さな成功と、それに伴う「勘違い」を手に入れました。
「仕事ができれば、恋愛もうまくいく」と。
次に僕が好きになった女性は、僕のその未熟さが原因で、筆舌に尽くしがたい経験をすることになります。
僕が別の年上の女性とも関係を持っていたことが原因で、彼女の住むマンションの壁一面に、「泥棒ネコ」と書かれた紙が貼り付けられるという、地獄のような光景が生まれたのです。
人の感情が、どれほど激しく、どれほど予測不能な形で噴出するのか。
僕はその時、自分の無力さと愚かさを、骨の髄まで思い知らされました。
涙の後に見つけた、たった一つの答え
それでも、僕はまだ「答え」にたどり着けていませんでした。「なぜ、女性はこんな行動を取るんだ…」と、どこかで相手を責めている、未熟な自分がいたのです。
僕の人生を本当に変えた、決定的な出来事は、その少し後に訪れました。
当時、付き合っていた少し年上の女性が、僕に何かを相談してくれた時のことです。
頭が良く、自立した彼女でした。僕は、良かれと思って、いつものように「正論」で答えました。
「それは、こうした方がいいよ」「こうすれば、絶対にうまくいく」と。
次の瞬間、彼女は、静かに泣き始めました。
僕には、彼女がなぜ泣くのか、全く分かりませんでした。
数日後、彼女は僕に別れを告げました。
そして、僕の人生を変える、忘れられない言葉をくれたのです。
その一言で、僕の頭の中の、全ての点が線で繋がりました。「私の気持ちに、ただ寄り添って欲しかった。答えなんて、いらなかった」
理由も分からず去っていった婚約者も、常軌を逸した行動に出た女性も、そして、僕の前で涙を流した彼女も。
彼女たちが僕に求めていたのは、僕の頭脳が導き出す「正しい答え」ではなかった。
ただ、僕の心が、彼女たちの心に「寄り添うこと」だったのです。
僕は、打ちのめされた瓦礫の中から、一つの真実を拾い上げました。
それは、男女では、心のOSが根本的に違うという、あまりにもシンプルな事実でした。
あなたの「恋の設計図」を描くために
それからの僕は、まるで新しい言語を学ぶかのように、心理学やコミュニケーションに関する本を読み漁りました。僕が知りたかったのは、女性を口説き落とすテクニックではありません。
相手の心の動きを、その感情の矛先を、深く理解し、尊重するための「地図」でした。
長い時間をかけて、僕はようやく、自分だけの「恋の設計図」を描き上げるに至ったのです。
ここまで、僕の長く、恥ずかしい失敗談を読んでくれてありがとうございます。僕がこのブログを通じてあなたに伝えたいのは、ただ一つ。
恋愛は、才能や容姿だけで決まるゲームではない、ということです。
街ですれ違うカップルが、誰もが美男美女ではないように。一見「釣り合わない」ように見える二人が、なぜ最高に幸せそうなのか。
その裏には、必ず相手の「感情」を読み解き、尊重するための、確かな法則が存在します。
僕は、その法則を、血と涙の代償を払って学びました。
あなたには、僕のような遠回りをしてほしくない。
このブログは、かつての僕のように、恋愛という迷宮で地図を持たずに彷徨っている、あなたのための「設計図」です。
自信がなくても、経験が少なくても、大丈夫。
正しい地図を手にすれば、あなたも必ず、理想のパートナーシップという宝物を見つけることができる。
さあ、一緒にその設計図を広げ、あなたの物語の、新しい一歩を踏み出しましょう。
